美味しいコーヒーやカフェが大好きな人が、もっとコーヒーを楽しめるようになるために知っておきたいスペシャルティコーヒーイベントがあります。それが、ワールドバリスタチャンピオンシップ (英語: World Barista Championship, WBC) です。
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世界中で楽しまれているコーヒーは、いろいろな考え方をもとに、美味しいコーヒーの淹れ方や飲み方が提案されています。
ワールドバリスタチャンピオンシップを知ることで、エスプレッソとスペシャルティコーヒーについて世界のスタンダードを理解することができます。
以下ワールドバリスタチャンピオンシップについて説明します。
ワールドバリスタチャンピオンシップとは
ワールドバリスタチャンピオンシップ は、バリスタにとってのオリンピック競技会
ワールドバリスタチャンピオンシップは、バリスタの技量を総合的に判断して世界一を決定するバリスタにとってのオリンピック競技会です。
現在では、バリスタに関する大会では、世界最高峰の知名度を誇ります。
2000年から始まり、当初はヨーロッパを中心とした十数ヵ国程度の規模の大会でした。しかし、2015年には48ヵ国、2016には61ヵ国が参加し、たくさんの国を背負った代表者が参加するバリスタたちにとっての一大イベントとなっています。
ワールドバリスタチャンピオンシップでは、何をするの?
ワールドバリスタチャンピオンシップはエスプレッソのプレゼンテーション大会
ワールドバリスタチャンピオンシップでは、競技者は15分間コーヒーに関するプレゼンテーションを行います。その間、エスプレッソ、ミクルビバレッジ、シグネチャービバレッジを作り、4名のセンサリージャッジに提供します。
ミクルビバレッジについて
ミクルビバレッジとは、エスプレッソとミルクを使ったドリンクのことです。(例:カプチーノなど)
シグネチャービバレッジについて
シグネチャービバレッジとは、エスプレッソとアルコール以外の副材料を使った創作ドリンクのことです。
特にネチャービバレッジは、独創的なアイデアで、ただの”コーヒー風味”のドリンクにならず、本来のコーヒー豆の風味を活かせるようなオリジナルドリンクが作られます。アップルジュースを入れたり、バルサミコ酢を入れたり、ピーチを入れたり、カルダモンやクローブいったスパイスを入れたり、ドリンクをシェイクしたり、炭酸ガスを入れり、液体窒素で急冷したりと、おちょこで提供してり、見ていて「おー!飲んでみたい!」となる見せ場的なポイントでもあります。
ジャッジについて
ジャッジは、競技者を審判する審査員のことです。審査員には、センサリージャッジとテクニカルジャッジがいます。
センサリージャッジは、バリスタの前に座っている審査員で、コーヒーの風味をチェック・審査します。
テクニカルジャッジは、バリスタの横に立っている審査員で抽出技術や作業のきれいさなどバリスタの技術面をチェック・審査します。
それらのスコアを総合的に判断して、順位が決定されます。
2017年からワールドバリスタチャンピオンシップのセミファイナルラウンドとファイナルラウンドに関しては、テクニカルジャッジはなくなりました。
詳しくはワールドバリスタチャンピオンシップ2017の主なルール変更点を参照ください。
ワールドバリスタチャンピオンシップの順位はどうやって決まるの?
ワールドバリスタチャンピオンシップは、予選ラウンド、セミファイナルラウンド、ファイナルラウンドがあります。
予選ラウンドは2回に分けて競技が行われます。予選ラウンドの結果の上位6名ずつの合計12名がセミファイナルラウンドへ選出されます。
その後セミファイナルラウンド12名でプレゼンテーションを競技を行い、セミファイナルラウンドの結果の上位6名がファイナルラウンドへ選出されます。
そして、ファイナルラウンド6名で競技を行い、順位を決定します。
ワールドバリスタチャンピオンシップはいつ開催されるの?
年に1回だけ開催されます。(※例外の年あり)
開催年によって時期が異なります。2017年は11月9日から11月12日までです。
ワールドバリスタチャンピオンシップはどこで開催されるの?
毎年開催地が変更されます。
2017年は、韓国ソウルにて開催されます。
ワールドバリスタチャンピオンシップには、誰が参加できるの?
世界各国の代表者のみが競技者として参加できます。
各国で開催される国内バリスタ大会にて優勝した人が、その世界大会であるワールドバリスタチャンピオンシップに参加できます。
たとえば、日本ではジャパンバリスタチャンピオンシップ(JBC)にて優勝したバリスタが、日本代表の競技者として参加することができます。
日本代表者は、例えば、2014年なら井崎 英典バリスタ、2015年、2016年なら岩瀬 由和バリスタ、2017年なら鈴木 樹バリスタ、そして2018年は石谷貴之バリスタです。
そして、”バリスタ”以外でも参加できます。
競技者は、バリスタとしての技術を見られるため、ほとんどの場合本業がバリスタです。しかし、エスプレッソマシンやコーヒー豆を挽くためのグラインダー(ミル)を製造しているメーカーの方も参加しています。
今年2017年にアメリカのバリスタチャンピオンシップであるUSBC (United States Barista Championship)では、Mahlkonig USA(マルコニックUSA)というコーヒー豆のグラインダーを製造するメーカーに勤務しているKyle Ramage(カイル・レメッジ)氏が優勝しました。
どんなプレゼンテーション内容なの?
プレゼンテーションの内容としては、主になぜそのコーヒーが素晴らしいのか、どのようにしたら美味しいコーヒーが淹れられるのか、といった内容です。近年では、生産者とともにバリスタがコーヒーを作り上げていくストーリーや、地球環境問題に言及したプレゼンテーションや、コーヒー業界全体の変革の必要性を訴えるプレゼンテーションなど多彩な内容となっています。
なんのためにやっているの?
ワールドバリスタチャンピオンシップの組織構造に関する書類に、以下のような目的が書かれています。
- バリスタという職業をより広く認知してもらい、地位向上を図るため
- お客様により深くスペシャルティコーヒーを知ってもらい、たくさんの人に楽しんでもらうため
- コーヒーイベントを世界中で知ってもらうため
- 大会を通してバリスタの総合的な技術を向上させるため
- 大会を通して審査員を育てるため
要するに、ワールドバリスタチャンピオンシップは、スペシャルティコーヒーに関わる人が成長できる機会となります。お客様がもっと深くスペシャルティコーヒーを知って飲んでもらえるように、スペシャルティコーヒーの伝道師を育てる場になっています。
まとめ
ワールドバリスタチャンピオンシップでは、競技者は15分間の間に、エスプレッソ、ミクルビバレッジ、シグネチャービバレッジを作り、コーヒーに関するプレゼンテーションを行います。
バリスタにとってのオリンピックのような競技会です。バリスタはこの大会のための準備から大会自体を通してたくさんのことを学ぶため、コーヒーの最新事情はもちろん、バリスタの最新技術の情報も満載のイベントです。美味しいコーヒーやカフェが大好きな人にぜひ見てもらいたいイベントです。
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