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2019年4月、アメリカのボストンにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)において、9位に入賞したロシア代表Konstantin Khramov(コンスタンチン・カラモフ)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
Konstantin Khramovバリスタは、ロシアモスクアのDoubleB Coffee&Teaの営業をされています。昨年もロシア代表のWBC2018-9位のLiliya Gadelshinaバリスタを輩出しているロシアの注目のコーヒー会社です。
プレゼン内容としては、コーヒーが年齢や職業、住んでいる場所を問わず社会と密接につながりがある事実に着目して、コーヒーとはそもそも会話を楽しむためのものであったり、社会とのつながりを持つことができる社会的に重要な生産物であるということを説明しています。
そしてスペシャルティコーヒーの歴史からその時代の流れを読み解き、現在のスペシャルティコーヒーで求められていることを真っ先に実践している最先端のコーヒーを紹介しています。
WBC 2019 -9位Konstantin Khramov-プレゼン動画
World Barista Championship セミファイナルの動画で確認できます。
WBC 2019 -9位Konstantin Khramov-プレゼン概要
使用コーヒー1:パナマ・フィンカデボラ・カーボニックマセレーション・グリーンティップゲイシャ
- 国:パナマ
- 地域:チリキ県
- 農園:フィンカ デボラ (Finca Debora)
- 生産者:ジェイミソン サベージ
- 品種:グリーンティップゲイシャ
- プロセス:カーボニックマセレーション
- 標高:1900 m
- エスプレッソコースで使用
使用コーヒー2:コスタリカ・カツーラ・ナチュラルコールドマセレーション
- 国:コスタリカ
- 地域:?(確認中)
- 農園:?(確認中)
- 生産者:?(確認中)
- 品種:カツーラ
- プロセス:ナチュラルコールドマセレーション(natural cold maceration)
- 標高:1700 m
- ミルクコースで使用。
プレゼンの要旨
コーヒーは素晴らしい。
1杯のカップのドリンクが壮大な数の人々と関わりがあり、多く人の時間と知識を活用して産業に発展しているのか、とても不思議なことである。
素晴らしいコーヒーが作られ、さらに人種、年齢、職業を越えた人々が相互に関わることのできる複雑なシステムが作られている。私の友人を例にすると、医者、エンジニア、教師、経済学者、アスリートなどなど。この多文化な経験が、コーヒーをユニークなドリンクにしている。コーヒーは社会的に重要な生産物として発展している。
40年前に一人の女性がスペシャルティコーヒーの原型を作ってから品質が良く、アイデンティティを有しており、ユニークなコーヒーのために努力がなされ、今ではスペシャルティコーヒー業界全体のスタンダードに進化した。
これから2つのコーヒーを紹介するが、コーヒーがどこで収穫されたものかは重要ではない。重要なことは何にインスパイアされてどのようにプロモーションするか。なぜならコーヒーというものは素晴らしいのだから。
WBC 2019 -9位Konstantin Khramov-プレゼンの流れ
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネチャービバレッジ
エスプレッソコース
パナマの農園フィンカデボラのカーボニックマセレーション・グリーンティップゲイシャ種を使用。
約30年前にゲイシャ種のコーヒー豆に注目が集まった。それはスペシャルティコーヒーの完璧な例の一つだった。ただエスプレッソ用としてはあまり適さないとされていた。
そこでフィンカ デボラの生産者ジェイミソン サベージ氏はカーボニックマセレーション技術を取り入れた。
多文化という観点でいうと、カーボニックマセレーションはワインの文化からもたらされた技術である。
カーボニックマセレーションは、パルピングの後48時間密閉タンクで二酸化炭素を充填して発酵させる方法である。
タンクは徹底的に温度管理されており、それがアグレッシブな発酵をコントロールしている。
その後日除けつきのレイズドベッドで2週間乾燥させる。
このカーボニックマセレーションプロセスがこのコーヒーのフルーツフレーバーを引き上げている。
レシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量:45 g
- カップを熱さないことで、リッチでスムースな質感を生み出している。
- 7日前焙煎
- 焙煎時間は7分。
- デベロップメントタイムは90秒
ディスクリプター
- 白桃
- マンゴー
- ハニー
- かすかにココナッツ
- 甘さ:ミディアムからハイ
- 酸:ミディアムからハイ
- 苦み:ミディアムからロー
- ミディアムボディ
- ラウンド、シルキー、スムース
- 心地よく長く続くフィニッシュ
ミルクビバレッジ
コスタリカ・ナチュラルコールドマセレーションのカツーラ種を使用。
ゲイシャ種は私たちの嗜好に大きな影響を及ぼした。テロワール、品種、高いクオリティのプロセスに満たされるようになった。
そして現在求められているものは、明るく心地よいテイスト。スペシャルティコーヒーに実験的なプロセスが求められる世界が到来した。
コスタリカのカツーラ種・ナチュラルコールドマセレーションを使用する。
ナチュラルコールドマセレーションは、フィンカ デボラの生産者ジェイミソン サベージ氏のカーボニックマセレーション技術と一部分はとてもよく似ているプロセスである。
チェリーのまま密閉タンクにいれてアナエロビック環境を作る。
タンクでのアナエロビック・ファーメンテーションの後、0℃で72時間つけ置きする。低温のためチェリーの発酵は進まない。しかし、マセレーション(浸漬)の長い時間により、クリアで明るいテイストを得ることができる。
その後日除けつきのドライベッドで2週間乾燥させる。
素晴らしいスパイシーなフレーバーがあり、シナモン、ブラッドオレンジ、イエローアップルのフレーバーがある。
レシピ
- 粉量: 20 g
- 抽出量: 40 g
- 脂質4%のミルクを使用。
- ミルク量:80 g
- ミルク温度:50℃
- このレシピで素晴らしくクリアなテイストを得られる。
- 11日前焙煎。
- 焙煎は10分。デベロップメントタイムは100秒。
ディスクリプター
- シナモン
- アップルパイ
- ミルクチョコレート
- デリケートでクリーミーな質感
シグネチャービバレッジ
コンセプト
シグネチャービバレッジを作成しているとき、友人、同僚を含め様々な人と楽しく会話が弾んだ。
会話を楽しむためのドリンクを作成。
エスプレッソ 6ショット
- 粉量:20 g
- 抽出量:43 g
- コスタリカ・カツーラ・ナチュラルコールドマセレーションのコーヒー豆を使用。
- 最初に抽出してクールダウンさせておく。
材料1:ミルクとライムジュースを合わせたもの 80 ml
- ミルク:ライムジュース=5:1を混ぜ合わせてフィルターでこしたもの。
- クリーミーな質感をドリンクに与える。
材料2:自家製シロップ 45 g
- ブラウンシュガー 200 g
- 水 100 g
- アフリカンバニラビーンズ 2本
- ブラッドオレンジのゼスト 30 g
- 上記4点を混ぜ合わせ、10時間50℃でスゥヴィーしたもの。
- ドリンクに立体感を与える。
材料3:オレンジリダクション 45 g
- コスタリカのコーヒーの1つのフレーバーがオレンジ。
- オレンジをプレスして、煮込んで10時間50℃でスゥヴィーしたもの。
材料4:シナモンアロマ
- シナモンはコスタリカののメインのフレーバー。
- プレゼン直前に10 gのシナモンを300 gの冷たい水でブリューしたもの。
- 使用直前に上のシナモン水にドライアイスを入れて、シナモンアロマのガスを発生させる。
シグネチャービバレッジの工程
- 材料をミキサーで混ぜ合わせる。
- 冷やした白ワインのグラスに注ぐ。
- 白ワインのグラスエレガントで機能的。グラスを冷たくすることで、ドリンクをよりリッチでスムースに感じるようになる。
- 提供直前にグラスにシナモンアロマのガスを注いで提供。
ディスクリプター
- アプフェルシュトゥルーデル
- オレンジ入りのダークチョコレート
- ジンジャースナップ
- ピーチヨーグルト
- かすかにグレープフルーツ
- デリケートでクリーミーな質感
- 心地よく長く続くフィニッシュ
インストラクション
スワリングすること。
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