2018年6月、オランダはアムステルダムにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)において、6位になったニュージーランド代表ジョン・ゴードン(John Gordon)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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Gorilla Gearを運営しているジョン・ゴードンバリスタは、WBCは4度目になります。
過去3回はイギリスの代表としてWBCに参加しています。
過去成績はWBC2010では14位、WBC2011では6位、WBC2013では10位でした。
エチオピアを訪れたときに感じた問題点を指摘し、現在の先端技術を駆使した解決策を提案しています。
WBC 2018 – ジョン・ゴードン-プレゼン動画
※ワールドバリスタチャンピオンシップ2018の詳しい動画視聴方法はコチラをご確認ください。
WBC 2018 -ジョン・ゴードン-プレゼン概要
使用コーヒー:エチオピア・シダモ・グジ・ZBウォッシングステーション
エチオピア・シダモ・グジ・ZBウォッシングステーションの基本情報
- 国:エチオピア
- 地域:シダモ・グジ地区・アドラエリア・メシナタウン(Mesina town in the Adola area of Sidamo Guji growing region)
- ウォッシングステーション:ZBウォッシングステーション(Zeritu and Banchayehu)
- ウォッシングステーション運営者:アヤナ(Ayana)
- プロジェクロオリジン:CMセレクション
- プロセス1:ホールチェリー・カーボニック・マセレーション(エスプレッソコースとミルクコースで使用)
- プロセス2:伝統的なウォッシュト(シグネチャービバレッジで使用)
- 関連のプロジェクトオリジンの記事:News from Ethiopia: New processing and community projects
エチオピアを訪れて感じた問題点
- エチオピアを初めて訪れたとき、美しい国と人々に魅了された。
- コーヒー農園はポテンシャルをとても感じるが、アクセシビリティ、テクニック、資源、安定した電力、現代技術と知識が欠けていることに気付いた。
- その中でもメインの問題の一つとして、ウォッシングステーションとミルの電力不足、電源異常により、摘み取ってから発酵が進むどころか腐ってしまうこともある。
- このような問題を解決できるのが、現在的な技術。
- その一つにホールチェリー・カーボニック・マセレーションがある。
- ホールチェリー・カーボニック・マセレーションは、一切電力を必要としない。
- 電力に頼る必要がなくなり、シンプルに、一貫性の向上と風味特性の増加・明確化できる。
- 収穫したチェリーをスティールタンクにいれ、酸素を排除するために毎日CO2を注入する。
- 長い発酵の過程でフレーバーと甘みが濃厚になる。
焙煎について
- 焙煎:ストロングホールド ロースター(Stronghold Roaster)
- ハロゲンと熱風のコンビネーションで、最先端の技術を使用した焙煎機
- 1バッチ6kgで焙煎
- コーヒー豆内部へ熱が伝わりやすくカラメル化をより促進させ、甘みとボディをもたらす。
- 1週間後でも同様の焙煎が可能なシステムになっていて、同じプロファイルのコーヒーを再生成できる。
WBC 2018 -ジョン・ゴードン-プレゼンの流れ
- シグニチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネチャービバレッジ
エスプレッソコース
ホールチェリー・カーボニック・マセレーションプロセスのコーヒー豆を使用。
レシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量: 45 g
フレーバー
- 1口目:中程度の甘みと酸、低度から中程度の苦み
- 2口目:グリーンキウイフルーツ、パッションフルーツ
- 3口目:ミディアムウェイト、ベルベットのような質感、長く続くパッションフルーツのフィニッシュ
インストラクション
- カップの上から底へ、後ろ側から前側へ5回しっかりとかき混ぜること。
→少しクールダウンさせるため - 3口は飲むこと。
ミルクビバレッジ
ホールチェリー・カーボニック・マセレーションプロセスのコーヒー豆を使用。
発酵プロセスでの接触時間をより長くとったコーヒー豆を使用。
→甘み、フレーバー、ボディを引き上げるため。
レシピ
- 粉量:22 g
- 抽出量: 38 g
フレーバー
- 溶けたミルクチョコレート、ピンクストロベリーマシュマロ
シグネチャービバレッジ
コンセプト
エチオピアへ訪れた時、コーヒーを水洗処理する水に衛生的な問題を感じた。クリーンで持続可能な水のリソースが不足している。この問題に対して解決策を提示するとともに、カーボニック・マセレーションプロセスで感じた複雑性をもったドリンクを作成。
エスプレッソ 4ショット
- ウォッシュトプロセスのコーヒー豆を使用。美しい柑橘系の風味がある。
- 4ショットはペーパーフィルターでこしたもの。
→バランスをとるため
材料1:エスプレッソ2ショットを抽出後、フィルターでこし、蒸留器にかけたもの。
- 使用している清浄器はニオイ、バクテリアを除去し、重たい不純物や浮遊物と苦み成分など99%の不純物が除去され、透明度の高い液体となる。
- 蒸留器にかけることでライムのような濃厚な酸が引き立つ。
材料2:カーボニック・マセレーションプロセスされたキウイフルーツ 13 g
- 12時間カーボニック・マセレーション浸漬させたもの。
- ベルベットのような質感をハイライトする。
材料3:カーボニック・マセレーションプロセスされたストロベリー 15g
- 24時間カーボニック・マセレーション浸漬させたもの。
- 甘みとボディをもたらす。
シグネチャービバレッジの工程
- エスプレッソと材料を全て混ぜる。
- ステンレススティールのアイスボールにそそぐ。
→ドリンクのテイスティングストラクチャーを変化させたり、薄めたりさせないため。
フレーバー
- ライムのアロマ
- 1口目:キウイフルーツ、ベルベットのような質感
- 2口目:濃厚なライム
- 3口目:新鮮なラズベリー
インストラクション
- 3口飲むこと。
- 飲む前にグラスを回すこと。
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