井崎英典氏がWBCで優勝した年、2014年イタリアのリミニにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)のセミファイナリスト12名のプレゼンテーションを紹介します。
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※WBC2014のプレゼン動画は各個別のURLより確認できます。
WBC 2014 優勝 日本代表 井崎英典
コーヒー豆
コスタリカ・タラス・モンテ・コペイ・ラ・メサ農園のティピカ種・レッドハニープロセスのコーヒー豆を使用しています。
プレゼンのポイント
井崎 英典バリスタがコーヒー同年代の生産者であるエンリケ(Enrique)氏とともに、2年という時をかけてエスプレッソのためのコーヒー「エスプレッソ フォーカスド コーヒー」とカプチーノのためのコーヒー「カプチーノフォーカスド コーヒー」を作り上げたという内容です。
井崎 英典バリスタと生産者エンリケ氏、どちらが欠けても作ることができなかった特別なコーヒーを紹介しています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- エスプレッソ フォーカスド コーヒー
- カプチーノフォーカスド コーヒー
- アップルシロップ
- ピーチネクター
- 硬水のアイスキューブ
上記材料を用いて、期待を上回るエキサイティングなフレーバー体験を提供しています。
井崎英典|2014年ワールドバリスタチャンピオンシップ優勝プレゼン
WBC 2014 2位 香港代表 カポ・チウ
コーヒー豆
コロンビアはセロ アズール農園のゲイシャ種ウォッシュトプロセスのコーヒー豆を使用しています。
プレゼンのポイント
最高のエスプレッソを抽出するために、濃度と収率を上げる方法を提案しています。
コーヒー豆を挽いた後、シフターで微粉を除去することで、高い濃度と収率を確保しています。
微粉を除去することで、クリーンさと甘みを向上させ、セロ アズール・ゲイシャの持つ複雑な風味を明確にしつつ、しっかりとしたボディをもたらしています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- スパークリングウォーター
- トニックシロップ
- マンダリンオレンジとパイナップルジュース
上記材料を用いて、セロ アズール農園ゲイシャ種のクールダウンしたときに出てくる複雑な風味をハイライトしたドリンクを作成しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-2位 香港代表カポ・チウ
WBC 2014 3位 ギリシャ代表 クリストス ロカキス
コーヒー豆
3種類の中米のコーヒー豆を使用しています。
- グァテマラ・バケリト・レッド・カツアイ・ウォッシュト
- グァテマラ・サンタ アナ・パカマラ・ナチュラル
- パナマ・ナインティプラス・ゲシャエステート30・ゲイシャ・ナチュラル
プレゼンのポイント
コーヒーショップで日々働くバリスタとしての役割は、ドリンクに合ったコーヒー豆を紹介することであると言及し、3つのドリンクコースに対し3種類の異なるコーヒー豆を使用しています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- ココアフレーバーウォーター
- 濃縮ブラックベリージュース
シグネチャーで使用するコーヒー豆であるナインティプラス社ゲシャエステート30の特徴を活かしたドリンクを作成しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-3位 ギリシャ代表クリストス ロカキス
WBC 2014 4位 オーストラリア代表 クレイグ・サイモン
コーヒー豆
コーヒー豆は、ナインティプラス社のパナマ・ゲシャエステートのゲイシャ種のハイブリット(ナチュラル・ウォッシュド)プロセスです。
プレゼンのポイント
ナチュラル・ウォッシュドの両プロセスのハイブリット型のプロセスを考案したストーリーとその結果をコーヒーをエスプレッソを通じてシェアしています。
ハイブリットプロセスのコーヒーは、クレイグ・サイモン バリスタ自身の興味関心を反映させて生まれたものです。
そのことから、さらなるコーヒーの可能性を追求するためには、風味特性において顧客の「何が好みか」というフィードバックを獲得し、反映させることの重要性を指摘しています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- ピンクグレープフルーツ
- ハニーシロップ
- アールグレイティー
- ミネラルウォーター
ジャッジに2つの選択肢を提示し、ジャッジが選択したドリンクを作成することで、ジャッジの興味関心というフィードバックを取り入れています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-4位 オーストラリア代表クレイグ・サイモン
WBC 2014 5位 イギリス代表 マックスウェル・コロナ-ダッシュウッド
コーヒー豆
コーヒー豆は、エチオピアはイルガチェフェ・アリチャのウォッシュト・エアルームとニカラグアはリモンシリョ農園ナチュラル・ロングベリーを使用しています。
プレゼンのポイント
水のコーヒーのフレーバーに対する影響」に関するプレゼンテーションです。
プレゼンテーションではカルシウム、マグネシウム、バッファの影響とその役割を説明するために、フィルター抽出のコーヒーを使用してエクササイズを行っています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- プラムジャムシロップ
- ザクロインフュージョン
- ベルガモットウォーター
エチオピア・イルガチェフェ・アリチャの持つ風味を活かすため、水の効果を応用したシグネチャービバレッジを作成しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-5位 イギリス代表マックスウェル・コロナ-ダッシュウッド
WBC 2014 6位 エルサルバドル代表 ウィリアム・ヘルナンデス
コーヒー豆
出身国であるエルサルバドルのサンタ・アナ・サンホセ農園の3種類のコーヒー豆をブレンドして使用しています。
- ナチュラル・イエローブルボン
- セミウォッシュト・オレンジブルボン
- ウォッシュト・レッドブルボン
プレゼンのポイント
プレゼンテーションのメインテーマは、アート&サイエンスです。
コーヒーはアートとサイエンスのどちらか一方ではなく、その両方のアプローチを必要としていると主張しています。
もっとも大切なことはコーヒーに対する情熱をシェアすることであるという考えの下、フレッシュでユニークなアプローチを通してコーヒーを表現しています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- カスカラティー
- キウイフルーツ
- ブラックベリー
- ブラウンシュガー
ケメックスフィルターをキャンバスの代わりに使用してエスプレッソと副材料でコーヒーノキの絵を描いて、コーヒーのアート性を表現しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-6位 エルサルバドル代表ウィリアム・ヘルナンデス
WBC 2014 7位 台湾代表 バーグ・ウー
コーヒー豆
WBC2014では、パナマのエリダエステート・ナチュラルプロセスのカツアイを使用しています。
プレゼンテーションのポイント
「おいしいコーヒーは偶然できるのではなく、多くの人の熱心な取り組みによって作られるものである」という考えの下、そのためにしている生産者、ロースター、バリスタの選択について説明しています。
生産者はアロマを選択し、ロースターは引き出す味、甘味を選択し、バリスタは温度を選択していると主張しています。
エスプレッソの抽出温度を調整することで、テクスチャーを引き上げています。具体的には、ポルタフィルターを使用前に水をかけて温度を下げて使用しています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- チェリージュース
- お湯
- ブラウンシュガーシロップ
- ライトローストのエスプレッソ
- ミディアムローストのエスプレッソ
生産者、ロースター、バリスタの選択を強調するために材料を使用し、より素晴らしいコーヒードリンクを作成しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-7位 台湾代表バーグ・ウー
WBC 2014 8位 オランダ代表 コーエン・ヴァン・スプラング
コーヒー豆
コーヒー豆は、コロンビアナリーニョ・ウォッシュト・カツーラとカスティーヨの混合品種です。
プレゼンテーションのポイント
コロンビアナリーニョ北東の6つの農園が協力して創った1つの素晴らしいコーヒーを紹介しています。
シグネチャービバレッジ
他の植物は実を食べ、種を捨てるのに対し、なぜコーヒーは実を使わず、種を使うのかという、ずっと抱えていた疑問から、シグニチャーのアイデアを得ています。
シグネチャービバレッジの材料
- カスカラインフュージョン
- 紅茶キノコ(欧米でいうところのKombucha)
2つの副材料をジャッジに飲むよう指示することで、農園で体験した風味をシェアしています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-8位 オランダ代表コーエン・ヴァン・スプラング
WBC 2014 9位 アイルランド代表 ピート・ウィリアムス
コーヒー豆
ニカラグアはリモンシリョ農園ウォッシュトプロセス・ハイブリッド品種のエチオサル(Ethiosar)種を使用しています。
プレゼンテーションのポイント
クオリティとサステイナビリティに特化したプレゼンテーションです。
地球温暖化で標高の高さを追いかけるように高い位置を目指して栽培地を移動させるのではなく、低い標高でも高品質なコーヒーが生産される方法を探すべきであるという主張しています。
その一例として、クオリティとサステイナビリティの両面を兼ね備えることが可能な、エチオサル種を紹介しています。
シグネチャービバレッジ
素晴らしいフレーバーを際立たせるにはどうすればよいか、シェフの経験からアイデアのヒントを得たドリンクを作成しています。
シグネチャービバレッジの材料
- タイムインフュージョン
- スマックインフュージョン(スマックは植物の実を乾燥させた赤紫蘇の色をした酸味のあるスパイス)
上記2つの副材料をシリンダーのような容器に入れ、エスプレッソマシンのスチーマーにホースをつないで、スチームにて優しく加熱します。最後にジャッジにその容器を手渡し、エスプレッソと混ぜ合わせることによって、エスプレッソの風味をより明確に感じるドリンクに仕上げています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-9位アイルランド代表 ピート・ウィリアムス
WBC 2014 10位 アメリカ代表 ライラ・ガンバリ
コーヒー豆
エルサルバドル・サンタアナのエル・マンサノ(El Manzano)農園レッドブルボン種のコーヒー豆で、プロセスのみ異なる3種類をブレンドして使用しています。
全て標高1500mに位置するもので、プロセスのみ異なり、ウォッシュト、パルプドナチュラル、ナチュラルの3種類です。
プレゼンテーションのポイント
生産者エミリオ・ロペス・ディアス(Emilio Lopez Diaz)氏とロースターDillanosのフィル・ビーティー(Phil Beattie)氏、そしてライラ・ガンバリバリスタの3人が力を合わせて作り出したコーヒーストーリーをシェアしています。
プロセスのみ異なる3種類のコーヒー豆をドリンクに合わせて配合率を変更しています。
さらに焙煎をドリンクごとに調整したブレンドを使用しています。
シグネチャービバレッジ
シグネチャービバレッジの材料
- カスカラのシロップ(生産者を表現)
- コーヒーノキのスモーク(ロースターを表現)
- エスプレッソ(バリスタを表現)
3人(生産者、ロースター、バリスタ)で協力し、3つのプロセスのコーヒーを使用したため、その三人と結びつきの強い3つの材料を使用しています。コーヒーノキ関係はすべてエル・マンサノ農園でとれたものを使用しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-10位アメリカ代表 ライラ・ガンバリ
WBC 2014 11位 カナダ代表 ベン・プット
コーヒー豆
コスタリカ・タラスのリカルド・カルデロン(Ricardo Calderon)氏の農園のコーヒー豆で、品種はカツアイです。
プレゼンテーションのポイント
ハイノートとローノートを引き出すことに重点を置いたプレゼンテーションです。
- ハイノート(=フレッシュ、フローラル、ピーチ、ストロベリー、さとうきびなど)
- ローノート(=ドライフルーツ、キャラメルなど)
シグネチャービバレッジ
2つドリンクを作成しています。
1つはハイノート、もう1つはローノートにフォーカスしたドリンクです。
どちらのドリンクにも同じ副材料を使用します。
シグネチャービバレッジの材料
- ピーチ
- ストロベリー
- 茶
- シュガー
また、エスプレッソの上部には軽い物質があり、それはハイノートでジューシーな風味があり、エスプレッソの下部には重い物質があり、それはローノートで重めの質感があると説明しています。
そして、1分以内に上下に風味が分かれることを発見しました。
抽出後しばらく放置したエスプレッソを注射器で吸い上げて上部と下部を分けて使用します。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-11位カナダ代表 ベン・プット
WBC 2014 12位 ドイツ代表 エルナ・トスベルグ
コーヒー豆
エチオピアオロミア州グジゾーンにあるスケクト(Suke Quto)農園のウォッシュトとナチュラルを使用しています。
標高1800-2200mです。生産者テスファイ(Tesfaye)氏がミルを所有しているため、エチオピアでもエアルームからより絞られた品種と紹介しています。
品種は、ティピカ系のローカル品種であるクルメ(Kurume)と、ウェリチョ(Welicho)です。
プレゼンテーションのポイント
「お客様が高品質のコーヒーを評価できるようガイドするための不可欠な5つのステップ」を紹介しています。
シグネチャービバレッジ
エスプレッソの複雑さをさらに引き出したドリンクを作成しています。
- トニックシロップ
- 砂糖
- キナの樹脂
- エスプレッソを前もって炭酸化したもの
- エスプレッソ
バーではエスプレッソをクールダウンして提供しているが、大会ではテイスティングしてもらうため、やや温かい状態で提供しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014-12位ドイツ代表エルナ・トスベルグ
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