2017年韓国ソウルにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) にて14位に入賞したルーマニア代表ラヴィニア・トマ(LAVINIA TOMA)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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ラヴィニア・トマ バリスタは、オリジオ(Origio)所属です。
ナインティプラス社のパナマ・パーシ・ゲイシャとエチオピア・ネキセ・エアルームを使用しています。
それぞれ異なる日に焙煎し、ブレンド比率をドリンクごとに変えることで、ドリンクとしての風味の変化にフォーカスしたプレゼンテーションです。
シグネシャービバレッジでは、ステージ上で提供直前にマンゴーとパイナップル絞ってフレッシュジュースを作成したり、パッションフルーツを切ったりして、新鮮さのあるフルーツのエッセンスを使用しています。
その他に自家製のシーベリーネクター、アカシアのはちみつを使用し、コーヒーの持つフルーティな風味とフルーツの酸をかけ合わせることで、新たなフレーバーを体験できるドリンクを作成しています。
WBC 2017, 14位 – ラヴィニア・トマ-プレゼン概要
- 2種類のコーヒー豆を使用。
- 焙煎日が異なる。
使用コーヒー1:ナインティプラス・パナマ・パーシ・ゲイシャ
ナインティプラス・パナマ・パーシ・ゲイシャの基本情報
- 国:パナマ
- 地域:ボルカン
- 農園:パーシ
- 農園主:ナインティプラス社
- プロセス:ナチュラル
→乳酸をハイライトし、エレガントなテクスチャーをもたらす。
- 品種:ゲイシャ
- 標高:1800m
- エイジング:5日
→エイジング5日目は、フローラルアロマをもたらすポイント。
- 小さな農園で、4月にハンドピックされ、アフリカンベッドで乾燥されたもの。
→クリーンカップをもたらす。
焙煎
- 170度とより低い温度で焙煎を開始。
- デベロップメントタイム:1.5分
- 焙煎時間:9分
→フローラル、クリーン、甘みを引き出す。
使用コーヒー2:ナインティプラス・エチオピア・シダモ・ネキセ・エアルーム
ナインティプラス・エチオピア・シダモ・ネキセ・エアルームの基本情報
- 国:エチオピア
- 地域:シダモ
- 農園:ネキセ
- 農園主:ナインティプラス社
- プロセス:ナチュラル
- ハンドピック後、コーヒーチェリーの皮を傷めないようにハンドウォッシュされる。
→シトラスの酸を生む。
- 品種:エアルーム
→濃厚で複雑なフレーバーをもたらす。
- 標高:1800m-2000m
- エイジング:21日
→スムースなテクスチャーをもたらす。
焙煎
- コーヒー豆の密度が高いため、より高い温度の190度でスタートさせる。
- デベロップメントタイム:1分
- 時間:10分
→フルーティ、リッチな酸をもたらす。
共通点
- 両方標高の高いエリアで、低い酸素環境がゆっくりとチェリーを成熟させていく。
→よりたくさんのアロマ化合物を生成する。
WBC 2017, 14位 – ラヴィニア・トマ-プレゼンの流れ
- シグネチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出。
- ミルクビバレッジ
- エスプレッソコース
- シグネシャービバレッジ
ミルクビバレッジ
ブレンド比率
- エチオピア・ネキセ・エアルーム 35%
- パナマ・パーシ・ゲイシャ 65%
→よりチョコレートのフレーバー、甘みを引き出す。
レシピ
- 粉量:22 g
- 抽出量:36 g
→甘みをハイライトした分量。
- 総量:100 ml
- ルーマニアのミルクを使用。
- 低温殺菌していない8%脂肪分、3.3%たんぱく質のミルク。
→シルキーで、複雑なフレーバーをもたらす。
- ミルク温度:45度から50度
→より甘みを感じる。
フレーバー
- ヤギミルクチョコレート
- ヌガー
- ワッフルのアフターテイスト
インストラクション
- 底から上下に5回混ぜる。
エスプレッソコース
ブレンド比率
- パナマ・パーシ・ゲイシャ:エチオピア・ネキセ・エアルーム=5:1のブレンド。
→複雑性が増加する。
レシピ
- 粉量:21 g
- 抽出量:36 g
- 抽出温度:93度
→甘味と鮮やかな酸のシナジーが生まれる。
フレーバー/タクタイル
- 白いユリの花
- ダークチョコレート
- パッションフルーツ
- クリーン
- ラウンド
- 長く続くアフターテイスト
- ミディアムハイウェイト
- シルキーテクスチャ
シグネシャービバレッジ
コンセプト
複雑なフルーツのフレーバーを持つコーヒーへフルーツの酸を新たに加えることで、全く新しいフレーバーを体験できるドリンクを作成。
エスプレッソ
- プレゼン序盤で抽出し、室温にする。
- 粉量:21 g
- 抽出量:36 g
- 収率:22%
→フルーツの風味を抽出する割合。
材料1:マンゴーとパイナップルのフレッシュジュース 15ml
- 提供直前にジューサーで絞る。
→パイナップルでリンゴ酸を向上させる。
→マンゴーで乳酸とクリーミーな質感をもたらす。
材料2:新鮮なパッションフルーツジュース 2.5ml
- 提供直前に作成する。
→豊富なクエン酸を加える。
材料3:自家製のシーベリーネクター 15ml
→豊富なクエン酸を加える。
材料4:トランシルヴァニア産の自家製アカシアのはちみつ 10g
→フルーツに含まれる糖を多く含み、他の材料をまとめる。
→リンゴ酸がアロマのプロファイルを向上させる。
シグネチャービバレッジの工程
- 材料1を作成する。
- 材料2を作成する。
- エスプレッソに材料1,2,3,4を注ぐ。
- ドリンクを10秒間電動ブレンダーで混ぜる。
→クリーミー、滑らかなテクスチャをもたらす。
- グラスに注ぐ。
→グラスのラウンド形状がドリンクをよりクリーンでクリアにする。
- ドリンクは室温で提供。
→酸とアロマが混ざり合う。
インストラクション
- 飲む前に3回スワリングすること。
フレーバー
- マルメロ
- アプリコット
- ゴールデンアップル
- 熟した梨
- 苦み:ロー
- 甘み:ハイ
- 酸:立体的
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