2018年6月、オランダはアムステルダムにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)において、12位になったアメリカ代表のコール・マクブライド(Cole McBride)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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約15年間コーヒー業界にいるフリーランスのコール・マクブライド バリスタは、今回がWBC初挑戦でした。現在はコーヒーショップをご自身で立ち上げる予定です。
プレゼンでは、バリスタとして気付いた大切なマインドセットを軸にして、15年間のバリスタ人生で築かれたパートナーとのストーリーをシェアしています。コール・マクブライド バリスタにしか成しえないユニークなプレゼン内容になっています。
WBC 2018 – コール・マクブライド-12位プレゼン動画
※ワールドバリスタチャンピオンシップ2018の詳しい動画視聴方法はコチラをご確認ください。
WBC 2018 -コール・マクブライド-12位プレゼン概要
使用コーヒー1:エクアドル・パパヤ・ウォッシュト・ティピカ
- 全てのコースでメインとして使用
- 国:エクアドル
- 生産者:フアン・ペーニャ(Juan Peña)
- 農園:ハシエンダ・ラ・パパヤ(La Hacienda La Papaya)
- 輸入源:Cafe Imports
- 品種:ティピカ
- プロセス:ウォッシュト
- 海抜:2000m
- 焙煎:ベルトン・ロス(Velton Ross) Velton’s Coffee Roasting Company
イントロダクション
- 約15年前(2002年)、バリスタとして働きはじめた。
- 職人として技術をマスターすることを決意した。
- 当初は、ラテアートの注ぎ方、資格を取得することが目的であり、それがマスターすることだと考えていた。
- しかし、それらの目的を達成してもなお、学ぶことは尽きないということがわかった。
- 本当に精通すること(True mastery)は目的を達成することではないと気付いた。
- 旅をすること、つまり常時次のレベルを目指すというマインドセットのことだと気付いた。
- 15年間バリスタとして働き、トースター、農家、農園主を含め多くの繋がりを築いた。
- 7年前(2011年)ロースターのヴェルテン・ロス(Velten Ross)とパートナーシップを提携
- 3年前(2015年)エクアドルへ旅行。パパヤ農園の農園主フアン・ペーニャと出会う。
- 今年(2018年)パパヤ農園へ再度訪れ、フアン・ペーニャと提携。
バリスタの役割について
- コーヒー業界は新しい品種、プロセスやツールといったイノベーションを追い求めている。
- それらのストーリーを伝えるのがバリスタ。
- 新しい品種やそのフレーバー、プロセスを説明したり、ツールを使用して抽出を改善する。
- だからこそバリスタとして常に学んで成長し続け、次のレベルを追い求め、精通すること(True mastery)が大切。
パパヤ農園について
- 農園主フアン・ペーニャは7つの部門を作り、それぞれのマネージャーを育てた。
- データを集め、エンジニアが分析、プレセスの改善を行った。
- これが本当に精通すること(True mastery)
ロースターとの取り組み
- パパヤ農園のコーヒー豆をスクリーンサイズで分けて、その違いを分析。(ジャッジの前にサンプルあり)
- スクリーンサイズ14:複雑、フローラル
- スクリーンサイズ15以上:みずみずしく茂った核果のフレーバーと甘み
- 通常は混ざった状態で、適切な焙煎が難しい。
- そこで、個々に焙煎を行い、その後ブレンドして元の状態に戻した。
- 20%:スクリーンサイズ14
- 80%:スクリーンサイズ15以上
抽出について
- エスプレッソマシンの温度:94℃に設定。
→パパヤ農園のコーヒーにあるブラウンシュガーの甘みとタフィーのようなフィニッシュをもたらし、ベストバランスになる。 - エスプレッソカップはドライアイスにて温度を下げる。
→カップに注がれたエスプレッソは44℃の最適温度となる。
→冷たいカップに注がれることによって急冷され、フレーバーとタクタイルに大きく影響する。
→ネクタリンの風味とクリーミーなマウスフィールをもたらす。
使用コーヒー2:ブルンジ・ギトゥウィ・ナチュラル・ブルボン
- ミルクコースでブレンドして使用
- 国:ブルンジ(burundi)
- 地域:カヤンザ県ギトゥウィ(gitwe, Kayanza Province )
- 品種:ブルボン
- プロセス:ナチュラル
- 海抜:1800m
- フレーバー:ラズベリー、ブランデー
使用コーヒー3:コスタリカ・ラス・ラハス・ナチュラル・カツーラ
- ミルクコースでブレンドして使用
- 国:コスタリカ
- 農園:ラス・ラハス
- 品種:カツーラ
- プロセス:ナチュラル
- 海抜:1500m
- フレーバー:スイカ、トロピカルフルーツ
WBC 2018 -コール・マクブライド-12位プレゼンの流れ
- シグネチャドリンクの準備
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネチャービバレッジ
エスプレッソコース
エクアドル・パパヤ農園のコーヒーを使用。
レシピ
- 抽出温度:94℃
- カップに注がれたエスプレッソ温度:44℃
- 冷やしたカップにて提供
ディスクリプタ
- ネクタリンの酸、ブラウンシュガーの甘み、タフィーの長いフィニッシュ
ミルクビバレッジ
3種類のコーヒーをブレンドして使用。
- コスタリカ・ラス・ラハスの持つスイカ、トロピカルフルーツの風味
- エクアドル・パパヤ農園のネクタリン、ブラウンシュガーの風味
- ブルンジ・ギトゥウィのラズベリー、ブランデーの風味
3種類のシナジーで、新しいフレーバーが生まれる。
ディスクリプタ
- 1口目:ストロベリー
- 2口目:オートミールクッキー
- 3口目:濃厚なバタースコッチ
シグネシャービバレッジ
コンセプト
- スパークリングエスプレッソ。
- 炭酸(CO2)と新鮮なエスプレッソはあまりマッチしないため、フィルターを駆使してマッチさせたドリンクを作成。
エスプレッソ
- エクアドル・パパヤ農園のコーヒーを使用。
- 粉量: 22 g
- 抽出量: 68 g
→新しいフローラルな風味をもたらす。
材料1:クエン酸 0.2 g
材料2:ゆずのシンプルシロップ
- 水30g、上白糖10g、ゆずの皮0.8gを使用して24時間浸漬したもの。
→ゆずがベストのフレーバーバランスをもたらす
シグネチャービバレッジの工程
- エスプレッソを抽出後、ペーパーフィルターでこす。
→ボディが軽くなり、クレマが除去される。 - その後、内側にガラスのスパイラルコイルのある室温用コンデンサーに注ぐ。
→CO2を除去するために最適な温度である74℃まで温度まで下げるため。使用のコンデンサーは、ネガティブな影響を与えることなく温度を下げることができる。 - カーボンフィルターでこす。
焙煎時に発生するコーヒーの成分でCO2とマッチしない成分を取り除く。
約130 gあったエスプレッソが100g程度いになる。 - CO2チャージャーに注ぐ。
- 材料2,3を加えて、CO2を充填する。
- ドライアイスに水を加えて冷やした液体にチャージャーをつけて冷やす。
→炭酸はより低い温度と相性がいいため。
ディスクリプタ
- ハニー、グレープフルーツ、甘いオレンジ
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- カイル・ラメージ|2017年ワールドバリスタチャンピオンシップ6位プレゼン
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