2015年のワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) にて2位に入賞したアメリカ代表チャールズ・バビンスキー(Charles Babinski)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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ホンジュラス・エル・オコティーヨとエチオピア・イルガチェフェを使用しています。
他のバリスタが華やかなパフォーマンスとともに最新技術や珍しい品種の話をする中で、チャールズ・バビンスキーバリスタの内容は、現実的でリアリスティックな内容です。
実際的な業務の効率化に焦点を当てたり、当たり前となっているシステムに感謝するなど、地味な内容が、WBCという特別な空間では逆に新鮮にみえます。
チャールズ・バビンスキーバリスタについて
チャールズ・バビンスキーバリスタは、アメリカのスペシャルティコーヒーの大御所インテリジェンシア(Intelligentsia)にてコーヒーの経験を積みました。
2012年に同じくインテリジェンシアに勤めていたカイル・グランビル氏(Kyle Glanville)とともに退職し、一緒にG&B COFFEEを立ち上げました。
その後、異なるコンセプトのお店であるGO GET EM TIGERを2店舗立ち上げました。
全てロサンゼルスに店舗があるため、ハリウッドやロサンゼルスの旅行を考えている場合、ぜひ立ち寄ってみたいお店です。
G&B COFFEEとGo Get Em Tigerについて
チャールズ・バビンスキーバリスタらは、複数ロースターよりコーヒーサンプルを取り寄せ、ブラインドカッピングにて風味特性を確認します。
固定観念を持たず、今も昔も愚直に続けているそうです。
複数のロースターと信頼関係を築いているため、マルチロースター
のコーヒーを楽しむことができます。
このお店に置いてもらえるということが一種のステータスとなっているようです。
G&B COFFEEはコーヒーとワッフルやグラノーラといった軽食でサクッと利用するコンセプトです。
それに比べ、Go Get Em Tigerは、よりコミュニティの交流の場として利用されるコンセプトで作られています。
そのため、コーヒーはもちろん、朝食や昼食のメニューにもこだわっています。
WBC 2015, 2位 – チャールズ・バビンスキーバリスタのプレゼン概要
- コーヒーショップの「リアリティ(実際的な業務)」の視点から、効率性の重要性を説く。
- システムがあるから小さな農園と小さなカフェが繋がることができるという点から、大きなスケールのシステムを構築することの重要性を説く。
使用コーヒー1:ホンジュラス・エル・オコティーヨ
- 国:ホンジュラス
- 農園:エル・オコティーヨ(El Ocotillo, サンタバーバラの3ヘクタールのすごく小さな農園)
- 品種:ブルボンとティピカ、パーカス
- ロースター:49th Parallel(バンクーバーのロースター)
- プロセス:ウォッシュト
- フレーバー:複雑な甘み(バニラ、ライトレーズン、パイン)、複雑な風味
シグニチャーとミルクビバレッジで使用
- エル・オコティーヨは、スペシャルティコーヒーとして売られているが、実験的な精選処理もしてなければ、ゲイシャやスダンルメといった特別な品種を扱っているわけでもない。
- エル・オコティーヨは、はるかに大きな農園が使用している生産システムを導入しているたため、毎年安定してスペシャルティコーヒーを生産できている。
- 複雑で素晴らしい甘みを持っている。
Charles Babinskiバリスタが、エル・オコティーヨを選んだ理由について
- 「自身の大企業でもないカフェがこんな小さな農園のコーヒーを入手できるのだ」、「システムの力がなければ繋がることなんてできなかったのだ」とシステムの重要性を主張するため
- エル・オコティーヨが持続的にスペシャルティコーヒーを生み出している理由は、成功したシステムを導入しているからと説明するため
- エル・オコティーヨでいれるミルクビバレッジの味は、よくあるチョコレート風味だが、実際はお客様はこれが一番好きなのだと主張するため
使用コーヒー2:エチオピア・イルガチェフェ
- 国:エチオピア
- 地域:イルガチェフェ
- ロースター:Heart Coffee Roasters(オレゴン州のロースター)
- エスプレッソコースで使用
エスプレッソだけ違うコーヒーを使用した理由は、実際的な視点から、エチオピアがコーヒーの原産地であるから、本来のコーヒーのフレーバーは、エチオピアのコーヒーであると主張。
WBC 2015, 2位 – チャールズ・バビンスキーバリスタのプレゼンの流れ
- シグネシャービバレッジ
- ミルクビバレッジ
- エスプレッソコース
シグネシャービバレッジ
- ホンジュラス・エル・オコティーヨを使用
- 複雑な風味をアロマティックスパイスを用いて引き出し、エル・オコティーヨの複雑性を強調
材料1:パインの木の蜜 6g
→他の蜜よりレーズン、バニラのような複雑な甘味をもたらす
材料2:ジュニパーシロップ 4g
→クリーンでシャープになる。
材料3:水分を減少させたグレープフルーツジュース 6g
→鮮やかになる。
ブレンダーを使用
→テクスチャーを加えることができる。
フレーバー
- 1口目:グレープフルーツとパイン以外を感じる
- 2口目:エル・オコティーヨ(El Ocotillo)自体の味を感じる(バニラ、ライトレーズン、パイン)
ミルクビバレッジ
- ホンジュラス・エル・オコティーヨを使用
→異なるフレーバーが表出することで複雑な風味を強調。
フレーバー
- リッチでチョコレートのような風味
- ミルクチョコレート
- ブラジリアンマカダミアナッツ
- チョコレートのような風味は、クラシックなものである。
- しかし、「リアリティ」は、コーヒーショップのリアリティではラテとカプチーノが大半の注文であり、一番人気である。
- その理由として、クラシックな味であるチョコレートの風味が一躍かっていると考える。
- お客様は美味しいコーヒーを出すと喜ぶ。
- より早く提供するとより喜ぶ。
- すでに挽かれたものを使用することでより早く大量に提供できるようになる。
エスプレッソコース
コーヒーの「リアリティ」は、発祥地はエチオピアであるということ。
つまり、エチオピアのコーヒーが本来のコーヒーのフレーバーであるということ。
- エチオピア・イルガチェフェを使用
- フレーバー:シャンパン、アールグレイティー、グレープフルーツ、ラベンダー
- ボディ:ライトからミディアムボディ
- マウスフィール:シルキー
- 長く続き、きれいなフィニッシュ
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