2017年韓国ソウルにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)にて16位に入賞したケニア代表マーティン・シャバヤ(MARTIN SHABAYA) バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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マーティン・シャバヤ バリスタは、アートカフェ・コーヒーアンドベーカリー(Artcaffe Coffee and Bakery)のヘッドバリスタです。
3年連続でケニア代表としてWBCに出場しており、WBC2015では43位、WBC2016では24位。そして、今年WBC2017から新しく導入されたワイルドカードにてセミファイナルに進出し、16位となりました。(※ワイルドカードについてはワールドバリスタチャンピオンシップ2017の主なルール変更点を参照。)
アフリカ大陸でセミファイナリストに選出されたのは、マーティン・シャバヤ バリスタが初めての快挙です。
プレゼンテーションでは、自国ケニアのコーヒー豆であるチャニア・エステート・フレンチミッションブルボンを使用しています。
SL28、SL34など複数の素晴らしい品種を生みの親であるフレンチミッションブルボンやケニアの栽培環境からくるフレーバーにフォーカスしたプレゼンテーションを行っています。
シグネシャービバレッジでは、グレープフルーツ、カルダモンシロップ、グレープを使用しています。
WBC 2017, 16位 – マーティン・シャバヤ-プレゼン概要
使用コーヒー:ケニア・チャニア・エステート・フレンチミッションブルボン
ケニア・チャニア・エステート・フレンチミッションブルボンの基本情報
- 国:ケニア
- 地域:中央州ティーカ(Central Province, Thika)
- 農園:チャニア・エステート(chania)
- プロセス:ウォッシュト
- 品種:フレンチミッションブルボン(French Mission)
- 農園主:ボイス・ハリス(Boyce Harries)
- 標高:1600m
- 土壌:5 pH
- 年間降水量:760 mm以上
- エイジング:10日目
ケニアのコーヒーの一般的な特徴
- 夜になると12度まで温度が下がり、ゆっくりとした成熟が促され、糖度の高いチェリーになる。
- 標高の高さからくる高い酸があり、ミディアムからフルボディとなる。
- 土壌のpHからくる明るい酸がある。
- 気候からくるベリーフレーバーがある。
焙煎
- 室温の豆を210度で焙煎
- 9分で1ハゼ
- デベロップメントタイム:2分30秒(カラメル化が進む。)
- 2ハゼが発生する12分で焙煎を止める。
→ベストバランスになる。
フレンチミッションブルボンについて
- 近年SL28、SL34など複数の素晴らしい品種を生み出されている。
- その生みの親がフレンチミッションブルボン。
- フレンチミッションブルボンはケニアに1896年に導入された。
農園主:ボイス・ハリスのプロセス
- 2017年の6月中旬に完熟したチェリーのみを摘み取り、そして、その日の午後にパルピングし、最も重みのあるパーチメントのみ選別。
- その後、ダブルファーメンテーション。
- 一次発酵は19時間の乾燥発酵。
- 二次発酵は、専用タンクに移し、24時間水浸漬で発酵。
→ベリーフレーバーを引き上げる。 - アフリカンベッドに移し日光で2週間乾燥。
- 2日かけて水分値を11%にする。
- ドライミルの後、明確な風味特性があるAA(スクリーンサイズ17)のみを選別。
WBC 2017, 16位 – マーティン・シャバヤ-プレゼンの流れ
- シグネチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出
- エスプレッソコース
- シグネシャービバレッジ
- ミルクビバレッジ
エスプレッソコース
レシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量:36 g
フレーバー
- ブラックベリー
- ミディアムアシディティ
- シルキー、ライトからミディアムマウスフィール
- 芳醇なセミドライワインのようなクリーンフィニッシュ
インストラクション
- 3回混ぜること。
シグネシャービバレッジ
エスプレッソ
- エスプレッソコースの前に抽出し、周りに水の入ったガラスディスペンサーでクールダウンさせる。
材料1:グレープフルーツジュース 30ml
- 絞られたばかりの新鮮なもの。
- ケニア・チャニア・エステート・フレンチミッションブルボンの持つ明るい土壌からくるシトラスの酸を引き上げる。
- エスプレッソにしたときに感じるダークチョコレートのような苦みを伴った甘みをハイライトする。
材料2:カルダモンシロップ 15ml
- 昼夜の寒暖差でゆっくりとした成熟が促されて向上した糖度を表現。
- グリーンカルダモンシードをお湯に浸漬しフライパンで低温加熱、ブラウンシュガーを1:1の割合で溶解させ6時間寝かしたもの。
材料3:グレープ 20ml
- 日光の下で完熟したクリーンなグレープ。
- エスプレッソに隠れた風味であるブルーベリーフレーバーを引き出す。
- バランスをとるために追加。
シグネチャービバレッジの工程
- プレゼン序盤にシグネチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出し、水の入った容器でクールダウンする。
- 材料1,2,3を混ぜ合わせ、エスプレッソに追加する。
- 電動ブレンダーでブレンドする。
→風味を均一にした。そして、甘みを引き上げることにつながる。
アロマ
- ラベンダーを主としたトロピカルブーケのフローラル
フレーバー
- ブルーベリー
- ほんの少しの甘いライム
- クリーンフィニッシュ
ミルクビバレッジ
- ケニア・チャニア・エステート・フレンチミッションブルボン:ミルク=1:4の比率
→ベリーフレーバーを一番感じる比率 - 脂肪分3%、タンパク質5%のオーガニックミルクを使用。
フレーバー
- ブルーベリー
- ミルクチョコレートの甘み(焙煎で出てきたもの)
- ミディアムからフルボディ
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