2016年ダブリンにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) にて7位に入賞したアイルランド代表ナターリア・ピオトロヴスカ(Natalia Piotrowska)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
スポンサーリンク
ポーランドのブレスコーヒーロースターズ(Bless Coffee Roasters)のナターリア・ピオトロヴスカバリスタは、今まで以下の成績でワールドバリスタチャンピオンシップへ連続出場しています。
- ワールドバリスタチャンピオンシップ2015 32位 アイルランド代表
- ワールドバリスタチャンピオンシップ2016 7位 アイルランド代表
- ワールドバリスタチャンピオンシップ2017 19位 ポーランド代表(出身国)
2016年のワールドバリスタチャンピオンシップでは、開催国アイルランドの代表として、スペシャルティコーヒー先進国アイルランドであっても、小さなコミュニテイーではまだまだスペシャルティコーヒーにアクセスできないことに言及しています。そしてその事実がナターリア・ピオトロヴスカ バリスタを駆り立て、スペシャルティコーヒーを広めるためのつながりを築くきっかけとなりました。スペシャルティコーヒーを次の新しいレベルに引き上げるためには、世界中の誰もがスペシャルティコーヒーにアクセスできるようにすることだと言っています。
プレゼンテーションでは、コロンビアのプロセス違いのスダン ルメ種のコーヒー豆を使用しています。誰もがスペシャルティコーヒーを楽しめるようになるために、新しい次元のコーヒーであるスダン ルメを紹介することで、スペシャルティコーヒーのさらなる発展を促しています。
シグネシャービバレッジでは、プレゼン中にトルコ産のリンゴを浸漬して作成したアップルインフュージョン、ポーランドの伝統的な燻製器具を用いて、リンゴの木で燻製したダムソンのリダクション液、パネラシュガー、アイスキューブを使用しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2016, 7位
ナターリア・ピオトロヴスカ-プレゼン概要
使用コーヒー1:コロンビア・スダンルメ・ウォッシュト
コロンビア・ラ・エスペランサ・スダンルメ・ウォッシュトの基本情報
- 国:コロンビア
- 農園:ラ・エスペランサ
- プロセス:ウォッシュト
- 品種:スダン ルメ
- 農園主:アルマンド・フェルナンデス(Armando Fernandez)
- 標高:1500m
- 焙煎:オナ・コーヒーのサム・コラ
- エスプレッソコースとシグネシャービバレッジで使用。
ラ・エスペランサ農園について
- 糖度が高くなるサインである完熟した赤い実のみを摘み取る。
→エスプレッソにしたとき、レーズンの風味をもたらす。 - 14から15時間の乾燥工程での発酵を行う。
→シルキーテクスチャーをもたらす。 - 水洗処理工程では、農園で採取される温泉水で4,5回洗浄する。
→生産者アルマンド・フェルナンデスによると、これがラ・エスペランサ・スダンルメ・ウォッシュトのライムの酸をもたらすという。
使用コーヒー2:コロンビア・スダンルメ・ナチュラル
コロンビア・カミーロ・メリサルデ・スダンルメ・ナチュラルの基本情報
- 国:コロンビア
- 地域:バジェ・デル・カウカ県
- 農園名:ラス・ヌベス(Las Nubes)
- プロセス:ナチュラル
- 品種:スダンルメ
- 農園主:カミロ・メリサルデ(Camilo Merizalde)
- 焙煎:オナ・コーヒーのサム・コラ
- ミルクビバレッジで使用。
生産者カミロ・メリサルデの取り組み
- チェリーの摘み取りと乾燥工程が徹底管理されている。
- 摘み取られたスダンルメのチェリーは、ブリックス糖度22度で揃えられる。
→エスプレッソに現れる素晴らしいカラメルフレーバーに直接的に影響している。 - チェリー摘み取りのとき、コーヒー豆の水分値は50%程度ある。乾燥工程でその水分値を11%まで下げる。
- 生産者カミロ・メリサルデの乾燥工程は、他の多くのものと異なり、一定した水分値を確保することができる。
→より多くのフレーバーをもたらす。 - 乾燥トレイに設置されているファンによる送風する。
→より風味が明確になる。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2016, 7位
ナターリア・ピオトロヴスカ-プレゼンの流れ
- シグネチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネシャービバレッジ
エスプレッソコース
エスプレッソコースのレシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量:40 g
- コロンビア・ラ・エスペランサ・スダンルメ・ウォッシュトを使用。
エスプレッソコースのフレーバー
1口目
- シルキーテクスチャー
- ライムの酸
2口目
- レーズン
- プラム
- グレープフルーツ
3口目
- ミルクチョコレートでコーティングされたレーズン
ミルクビバレッジ
ミルクビバレッジのレシピ
- コロンビア・カミロ・メリサルデ・スダンルメ・ナチュラルを使用。
ミルクビバレッジのフレーバー
- キャラメル
- レーズン
シグネシャービバレッジ
シグネチャービバレッジのコンセプト
- スペシャルティコーヒー業界の次のレベルは、だれもがスペシャルティコーヒーにアクセスできるようにすること。
- 新しい次元のスダンルメを紹介することで、スペシャルティコーヒーのさらなる発展を促す。
エスプレッソ
- コロンビア・ラ・エスペランサ・スダンルメ・ウォッシュトを使用。
材料1:アップルインフュージョン 10g
- 150mlの水に対して12gのトルコ産のリンゴを9分間浸漬させたもの。
- プレゼンテーション中に作成。
→エスプレッソのレーズンの風味と融合し、クランベリーの風味をもたらす。
材料2:燻製したダムソンのリダクション液 12g
- ダムソンをリンゴの木で燻製させる。
- ポーランドの伝統的な燻製器具を用いて、45%の湿度で12時間60度の低い温度の熱で燻製する。
- 燻製したドライダムソンプラムを300gと水1リットルを使用して4時間低温で加熱し、減水させて燻製したダムソンのリダクションを作成。
→とても高品質なリンゴ酸があり、エスプレッソのプラムの風味と融合する。
→ライムの酸を別の次元に展開する。
材料3:パネラシュガー 1g
→ドリンクのバランスを整えるため。
材料4:アイスキューブ 10g
→フレーバーを開花させるため。
シグネチャービバレッジの工程
- エスプレッソに材料1,2,3,4を加える。
- ブレンダーで混ぜ合わせる。
→クリーミーなマウスフィールをもたらす。
シグネチャービバレッジのフレーバー
- 1口目:クリーミーマウスフィール、ライムの酸
- 2口目:クランベリー、ダークチョコレート
シグネチャービバレッジのインストラクション
- ドリンクを飲む前にそれぞれ3,4回スワリングすること。
関連記事
スダン ルメをはじめて大会で紹介したササ・セスティック氏のプレゼン
ササ・セスティック| WBC 2015 – 優勝プレゼン-オーストラリア代表
焙煎を担当したオナ・コーヒーのサム・コラ氏のプレゼン
サム・コラ|2017年ワールドブリュワーズカップ準優勝のプレゼンテーション
同じくスダン ルメを使用したプレゼン
ワールドバリスタチャンピオンシップ2016-6位オランダ代表レックス・ウェネケル
農園主カミロ・メリサルデ氏のコーヒーを使ったプレゼンテーション
9位韓国代表|2017年ワールドバリスタチャンピオンシップ|バン・ジュンベ
ワールドバリスタチャンピオンシップ2016まとめ
スポンサーリンク
コメントを残す