2016年ダブリンにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) にて4位に入賞したアメリカ代表レム・バトラー(Lem Butler)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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レム・バトラー バリスタは、カウンター・カルチャー・コーヒー(Counter Culture Coffee)を退職し、ワールドバリスタチャンピオンシップ2017のファイナリストであるカイル・ラメージバリスタと共に、2017年にブラック&ホワイトコーヒー(Black & White Coffee)を立ち上げました。
レム・バトラー バリスタは、パナマ・フィンカ・ヌグオ・ゲイシャ種のコーヒー豆を使用し、コーヒーの品種、栽培環境、そして生産者の品質に対する熱心な取り組みが現れる酸の明るさ、甘さ、フレーバーの明瞭さにフォーカスしたプレゼンテーションを行っています。
シグネシャービバレッジでは、マグノリアのシンプルシロップ、ハイビスカス、レモングラス、窒素ガスを使用しています。生産者ガヤルドファミリーから名付けた「カフェガヤルド」という、フルーツの多様な風味を感じるコールドドリンクを作成しています。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2016, 4位
レム・バトラー-プレゼン概要
使用コーヒー:パナマ・フィンカ・ヌグオ・ゲイシャ
使用コーヒー:パナマ・フィンカ・ヌグオ・ゲイシャの基本情報
- 国:パナマ
- 地域:チリキ県フルトゥンゴ
- 農園:フィンカ・ヌグオ(Finca Nuguo)
- 品種:グリーンティップ・ゲイシャ
- 標高:1900m
- 生産者:ホセ・マニュエル・ガヤルド(José Manuel Gallardo)
美味しいコーヒーの3つのポイントとプレゼンの要旨
- 美味しいコーヒーには、酸の明るさ、甘さ、フレーバーの明瞭さがある。
- これらはコーヒーの品種、栽培環境、そして生産者の品質に対する熱心な取り組みが現れている。
- そして、焙煎のレベル、農園のレベル、バリスタのレベルが直接どのように酸の明るさ、甘さ、フレーバーの明瞭さに影響するのかを説明する。
フィンカ・ヌグオと出会った経緯
- 2014年に粗くジップロックの袋に入れられた、ほとんど情報のない生豆が職場に送られてきた。
- そのコーヒーにはネガティブな風味の裏に、素晴らしい何かがあった。
- 生産者ホセ・ガヤルドにコンタクトしフィンカ・ヌグオのコーヒーについて話し合いを進めた。
生産者ホセ・ガヤルドのプロセス
- ディスカッションを経て生産者ホセ・ガヤルドは収穫、プロセスに調整を施した。
- 最も完熟した実のみを収穫することで、甘みを引き上げた。
- 発酵プロセスを24時間に拡張したことで、酸をもたらした。
- カバー付きのアフリカンベッドを設置することで、一貫した風味の明瞭さを得た。
- フィンカ・ヌグオ特有の環境と革新的なプロセスが合わさり、素晴らしいゲイシャとなった。
- その翌年2015年にベストオブパナマで1位に入賞した。
フィンカ・ヌグオ特有の環境
- フルトゥンゴは、コスタリカとパナマの間の山の中の地域である。
- 冷たい大西洋の風が気温を下げ、フィンカ・ヌグオのマイクロクライメイトを生成する。
- その冷たい風はチェリーをゆっくりと成熟させ、多量の糖を生成する。
- また、フィンカ・ヌグオはものすごく小さい農園だが、シェードを作る美しい森に囲まれている。
- 中央アメリカでもっとも多種多様な生物が生息しているラ・アミスター国立公園のすぐそばに位置している。生物多様性の例としては、600種類以上の鳥が生息している。
- この多種多様な生物からもたらされる真菌やバクテリアが、フィンカ・ヌグオのコーヒー特有の発酵を促し、ラウンド感のある酸を生み出していると考える。
- これが、パナマのこの地域でしか成しえない本当にユニークなゲイシャをもたらす。
25種類の異なるロットから選別
- 生産者ホセ・ガヤルドのもとへ訪れ、ホセとともにプロセスし、焙煎し、サンプルを作成した。
- 25種類のロットを全て試した、そのベストが、本日提供するロットである。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2016, 4位
レム・バトラー-プレゼンの流れ
- シグニチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネシャービバレッジ
エスプレッソコース
エスプレッソコースのレシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量:45 g
- EK43グラインダーを使用
- 一貫した粒子サイズとなり、より高い抽出性をもたらす。
- 結果、フィンカ・ヌグオ・ゲイシャのもつ酸の明るさ、甘さ、フレーバーの明瞭さをカップに注ぐことができる。
エスプレッソコースのフレーバー/タクタイル
- フローラルなジャスミン
- 紅茶
- 明るいライムの酸
- ミディアムボディ
- ネクタリン
- 長く続くフローラルフィニッシュ
インストラクション
- フレーバーハーモニーを楽しむため10回以上混ぜること。
ミルクビバレッジ
ミルクビバレッジのフレーバー
- バタータフィー
- はちみつのような甘さ
- クリーミーなマウスフィール
- かすかなライムの酸
シグネシャービバレッジ
シグネシャービバレッジのコンセプト
愛すべき生産者ガヤルドファミリーから名付けたドリンク「カフェガヤルド」を作成。
フルーツの多様な風味に焦点を当てたコールドドリンクを提供。
エスプレッソ 6ショット
- エスプレッソコース前に抽出する。
- 氷水に浸されたディスペンサーの中へ注ぎ冷却する。
材料1:マグノリアのシンプルシロップ 25ml
- フローラルなジャスミンと紅茶の風味が引き立つ。
- また、マグノリアを全体的に浸すことで、マグノリアの花びらのかすかな苦みがコーヒーの苦みを引き出す。
材料2:ハイビスカス 5g
- 酸の強いクランベリーを引き出す。
- そして、フィンカ・ヌグオ・ゲイシャと合わさることで、チョコレートココアの風味がもたらされ、フィニッシュにダークチョコレートを感じるようになる。
材料3:窒素ガス
- ミルクシェークのようなマウスフィールをもたらす。
材料4:レモングラス
- リム(グラスの縁に軽く塗る)を行う。
- 全てのフレーバーをオープンにする効果がある。
- 酸を加えていないのに酸が加わる。
シグネチャービバレッジの工程
- エスプレッソに材料1,2を加える。
- ディスペンサーを密閉し、材料3を注入し、シェイクする。
- 提供直前に材料4をカットし、リムを行う。
インストラクション
- すぐに飲むこと。
シグネシャービバレッジのフレーバー
- 1口目:クリーミーなマウスフィール、レモンシトラス
- 2口目:クランベリー、チョコレート
- 3口目:ダークチョコレート、ジャスミンとマグノリアの花束
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