オーストラリアのオナコーヒー(ONA Coffee)が次々とチャンピオン級の人材を生み出し、最近より一層の注目を集めてきています。
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その起点となっている2015年ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) 優勝者、オーストラリア代表ササ・セスティック氏(Sasa Sestic)のプレゼンテーションについて紹介します。
ウォッシュト・カーボニック・マセレーション・プロセスを使用したコロンビア・ラス・ヌベス農園のスダン ルメを使用しています。
ONA Coffeeについて
「素晴らしいワインのように、素晴らしいコーヒーには、物語がある。
その物語の裏には必ず情熱がある。」
オーストラリアのONA Coffeeの大切にしている考えです。
2017年7月現在キャンベラを中心にカッピングルーム1店舗とカフェを2店舗運営しています。
ONA Coffeeは、2008年にササ・セスティック氏によって創業されました。
まだ日が浅いコーヒーの会社であるにもかかわらず、非常に輝かしい経歴をもつ人材を数多く輩出しています。
ヒュー・ケリー氏(Hugh Kelly)ヘッドトレーナーは、2016年にオーストラリアの国内バリスタチャンピオンです。2017年のワールドバリスタチャンピオンシップで5位に入賞しました。
サム・コッラ氏 (Sam Corra)ヘッドロースターは、World Brewers Cup 2017で準優勝しています。
そして、この良い流れを作り出した火付け役は、2015年WBC優勝者であるONA Coffeeオーナー、ササ・セスティック氏です。
ササ・セスティック氏の経歴
ササ・セスティック氏は、ONA Coffee Distributor (OCD) というエスプレッソ抽出前に、バスケットの中のコーヒー粉を効率的に平らにかつ均一にすることが出来る道具を考案したことで知られています。
ササ・セスティック氏はボスニアの生まれであり、「ササ(Saša)」という名前は、ボスニアやセルビアでは非常によく見られる名前です。
(たぶん、オーストラリア移民前の名前は、Saša Šestićと書くと思います。「ササ」より、「サシャ」の方が発音は近いと思います。)
子供の頃には戦争続きだったため、子供のころの記憶は爆弾、銃撃戦などで埋められていたそうです。
1997年にオーストラリアのキャンベラへ移り、スペシャルティコーヒーと出会うこととなりました。
元々はハンドボールのプロ選手でした。
コーヒーに情熱を注ぎこんだ元アスリートのプレゼンテーションは、発言する言葉全てに理由のあるプレゼンテーションです。
WBC 2015, 優勝 –ササ・セスティック-プレゼン概要
ササ・セスティック氏はプレゼンテーションの中で新しいプロセスを説明している。
ワインメーカーからヒントを得た新しいテクニックで、赤ワインの特別な醸造法で知られる炭酸ガス浸潤法(カルボニック・マセレーション)をコーヒーに適用したものだ。
そのプロセスを、ウォッシュト・カーボニック・マセレーション・プロセス(Washed Carbonic Maceration Process)と呼んでいる。
使用コーヒー:コロンビア・ラス ヌベス・スダンルメ
農園主:Camillo Merizalde
国:コロンビア
農園:ラス ヌベス(Las Nubes)
品種:スダン ルメ(Sudan Rume)
鮮やか、ストーンフルーツの甘味。
独特なシェードシステムにより、スロードライが可能に。
そしてそれが、甘味をもたらす。
WBC 2015, 優勝 –ササ・セスティック-プレゼンの流れ
エスプレッソ
ウォッシュト・カーボニック・マセレーション・プロセス(Washed Carbonic Maceration Process)の説明。
- パーチメントをステンレスの容器に入れる。(従来のコンクリートやタイルではないステンレスを使用)→エスプレッソにクラリティをもたらす。
- 蓋を閉めて二酸化炭素を注入。圧力が加わる→全てのフレーバーとアロマが発酵過程で浸透。→ストーンフルーツの甘味をもたらす。
- 湿度と温度の管理→鮮やかさとスパークリングな柑橘系の酸味をもたらす。
一口目と二口目で感じる味の違いを説明している。
一口目:鮮やかさとスパークリングなシトラスアシディティ
二口目:プラム、ピーチ、クリーミーマウスフィール、最後にはリフレッシィングストーンフルーツ
ミルクビバレッジ
ナチュラルプロセスのスダンルメ(Sudan Rume)はとてもフルーティでカプチーノに使いたかったが、クラリティと鮮やかさがない。
→ナチュラルプロセスのスダン ルメとウォッシュト・カーボニック・マセレーション・プロセスのスダン ルメを半々でブレンドしたコーヒーを使用。
→とてもユニークなラズベリーの風味、かすかなホワイトチョコレート。
シグネシャービバレッジ
ワインメーカーのテクニックを応用。
プレゼン最初に抽出し、冷ましていたシグニチャー用エスプレッソを使用。
味の特徴
クリーミーな質感、スパークリングな酸味、ストーンフルーツ、かすかなラズベリー
材料
- ウォッシュト・カーボニック・マセレーション・プロセスにて処理したシラー(グレープ、Shiraz Grape)(アルコールができないよう温度調整されている。)
→コーヒーのもっているラズベリーを強調
- ブラックプラムシロップ(Black Plum Syrup)
→ストーンフルーツの甘さを強調。
- パネラシュガー(Panela sugar)
→バランスをもたらす。
- 加熱する
→液体を減少させアロマを強調。
- 軟水の氷
→フレーバーをより感じやすくする。
- 冷たいエスプレッソ
→アシディティを強調。
- ブレンダー
→クリーミーな質感を創りだす。
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WBC2015
オナコーヒーのバリスタのプレゼン
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