2018年6月、オランダはアムステルダムにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)において、4位になったギリシャ代表ミカエリス・カチアボス(Michalis Katsiavos)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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今回ファイナリストになったミカエリス・カチアボスバリスタは、スペシャルティコーヒー専門のロースターのThe Underdogでバリスタとして働いています。WBCは今回が始めてです。
有名な農園パナマのフィンカ・デボラのゲイシャ種を使用しています。
そして、生産者ジェイミソン・サベージ氏の最新の取り組みであるアナエロビック・ファーメンテーション・プロセスをゲイシャ種に適応したことと、バリスタとしてカップ品質の向上のために行ったことをプレゼンしています。
副材料に使用されていたシロップが聞き取れなかったのでThe Underdogさんへ確認したところ、丁寧にご回答いただきました。
オレオ サッカラムシロップ(Oleo ssacharum Syrup)というそうです。
Oleoはラテン語で「油」、ssacharumはラテン語で「サトウキビ、乳糖」の意味で、フルーツのオイルを使うため、オレオサッカラムシロップと呼ばれるそうです。
WBC 2018 – ミカエリス・カチアボス-プレゼン動画
※ワールドバリスタチャンピオンシップ2018の詳しい動画視聴方法はコチラをご確認ください。
WBC 2018 -ミカエリス・カチアボス-プレゼン概要
使用コーヒー:パナマ・フィンカ・デボラ・アナエロビック・ファーメンテーション・ゲイシャ
パナマ・フィンカ・デボラ・アナエロビック・ファーメンテーション・ゲイシャの基本情報
- 国:パナマ
- 地域:ボルカン地区
- 農園:フィンカ・デボラ
- 生産者:ジェイミソン・サベージ
- 標高:1900m
- 品種:ゲイシャ
- プロセス:アナエロビック・ファーメンテーション
フィンカ・デボラ農園について
- ミカエリス・カチアボスバリスタの一番好きな農園
- 最も革新的な農園
生産者:ジェイミソン・サベージについて
- 考え方がとても柔軟で、イノベイティブ。
- 常に品質向上のためにできることを考えているため、ジェイミソン・サベージのコーヒーを使うことを決めた。
ジェイミソン・サベージのアナエロビック・ファーメンテーションについて
- 摘み取り後、ホールチェリーのまま袋に入れて62時間発酵させる。
→ワインのような酸がもたらされる。 - パルピングし、パーチメントの状態にする。
- 24時間アナエロビック・ファーメンテーション方式で発酵させる。
- 8時間から6時間アナエロビック・ファーメンテーションの時間を削除することでよりクリーンでフルーティな風味、中程度の酸になり、ジューシーな甘みをもつようになる。
バリスタとしてカップクオリティを上げるためにしたこと
- シフトを使用して、スクリーンサイズを3段階に分ける。
- 30%がスクリーンサイズ 17-18
- 60%がスクリーンサイズ 16
- 10%がスクリーンサイズ 14以下
- スクリーンサイズの違いは、焙煎時の熱量に影響する。
- プレゼンではスクリーンサイズ16のものを使用。
焙煎について
- 7日前焙煎のもの。
- 低いrpmのドラムで2分間ゆっくりとスタートさせ、徐々に対流熱を上げる。
- 焙煎時間:11分
- デベロップメント比率:15%
WBC 2018 -ミカエリス・カチアボス-プレゼンの流れ
- シグネチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネチャービバレッジ
エスプレッソコース
レシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量:43 g
- 抽出温度:93度
→酸とのバランスがとれる。
フレーバー
- マスカット、オレンジピール、ブラックベリー、メープル
- 甘みがあり、苦みが少なく、ワインのような中程度の酸
- ミディアムボディ、シルキーな質感、心地よく長く続くアフターテイスト
インストラクション
- 温度を下げるため、指示するまで飲まないこと。
ミルクビバレッジ
レシピ
- 粉量:20 g
- 抽出量:43 g
- 抽出温度:93度
- 総量:90ml
- 温度:53度
→1口目から甘みを感じることができる
フレーバー
- 茶色くカラメル化したシュガー、ウォールナッツ
- クリーミー
インストラクション
- 濃厚な甘みを十分に感じるため、一口目から十分な量を口にすること。
シグネチャービバレッジ
コンセプト
アナエロビック・ファーメンテーションからヒントを得たドリンク。
エスプレッソ 4ショット
- 粉量:20 g
- 抽出量:43 g
- 抽出温度:93度
→酸とのバランスがとれる。
材料1:スゥヴィーしたラズベリーリダクション 10ml
- 25gの新鮮なラズベリーと10gの砂糖を袋に入れる
- 真空パック器で真空にする。
- アナエロビックの環境を同じになる。
- →ラズベリーは中程度の酸とジューシーな甘みをもつようになる。
- 真空低温調理器を用いて65度で3時間調理する。
- メタルフィルターでこして使用。
材料2:オレオ サッカラムシロップ 10 ml
- 大会前日に作成したもの。
- 15個のライムのピールと1kgのダークブラウンシュガーを24時間漬け込む。
- 翌日絞って450mlの新鮮なライムジュースを入れて、砂糖が溶けきるまで混ぜる。
- その後ピールを取り除いたもの。
材料3:生クリーム乳脂肪分35% 10ml
- バタリーなマウスフィールにするため。
シグネチャービバレッジの工程
- プレゼン序盤に抽出しておいたエスプレッソをアイスブロックのある容器へ移す。
- 材料1,2,3をいれて、かき混ぜる。
- アイスブロックの入ったグラスで提供。
フレーバー
- ライムピール、ジャスミン、ラズベリーチーズケーキ
- アフターテイスト:バタービスケット
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