2017年韓国ソウルにて開催されたワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) にて13位に入賞したギリシャ代表コンスタンティノス・イアトリディス(KONSTANTINOS IATRIDIS)バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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コンスタンティノス・イアトリディス バリスタは、タフ(Taf)の所属です。
プレゼンテーションでは、ナインティプラス社のエチオピアのマゴコロエステート・エアルームを使用しています。
3つのイノベーションでコーヒーの持つフレーバーと相まってさらなるユニークな経験を提供することにフォーカスしています。
まず、手挽きミルで一旦粗めに挽き、クーラーで風をあててシルバースキンをブローしてからEK43グラインダーで挽きます。シルバースキンを取り除いて渋みを軽減することで、クリーンさをもたらします。
次に、冷蔵庫でコーヒー豆、及びコーヒー粉を保管することで、温度を下げています。一定の温度・湿度で管理することが可能になり、タクタイルを引き上げています。
最後に、シグニチャービバレッジのエスプレッソでは、長い抽出を行っています。抽出時間を長くすることで、コーヒーのもつ複雑な風味を引き出しています。
シグネシャービバレッジでは、エチオピア・マゴコロエステートのオリジン、プロセスからもたらされた特徴であるトロピカルな風味からアイデアを得たドリンクを作成しています。
WBC 2017, 13位 – コンスタンティノス・イアトリディス-プレゼン概要
使用コーヒー:エチオピアのマゴコロエステート
エチオピア・マゴコロエステートの基本情報
- 国:エチオピア
- 地域: シャキッソ
- 農園:マゴコロエステート
- 品種:エアルーム(Mixed Heirloom)
- 農園主:ナインティプラス
- 管理者:シメオン・アベイ(Semeon Abay)
- 標高:1800〜2000m
- プロセス:ナチュラル(hot & cold fermatation)
- マルチレイヤーのアフリカンベッドで乾燥させることで、複雑さをもたらす。
- 35日間のゆっくりとした乾燥で、種子と実のコンタクトタイムが長くなり、パイナップルのようなトロピカルフルーツの風味と甘みがもたらされる。
- エイジング:8日→コーヒーの甘みと風味特性を発達させるため
焙煎
- 担当:タフ(Taf)
- 焙煎時間:10分20秒
- デベロップメントタイム:13%
3つのイノベーション
1つ目のイノベーション:手挽きミルを使用。
- 手動式のミルで一旦コーヒー豆を挽く。(準備時間の間に挽く。)
- クーラーでブローしてシルバースキンを取り除く。
- シルバースキンを取り除くことで渋みを取り除き、クリーンになる。
- 結果、デリケートなフレーバーを引き出すことができる。
- また、の間により均一な粒子をもたらす。
2つ目のイノベーション:冷蔵庫を使用してコーヒー豆を冷やす。
- 小さな冷蔵庫を使用してコーヒー豆を6度で管理。
- 温度が下がるにつれてコーヒー粉の粒子サイズがより均一になり、風味が増し、同量の粉からより多くのコーヒーを抽出できるようになる。
- 冷蔵庫は温度と湿度を制御することができる。
- 湿度があると、一貫して、かつしっかりとしたより良いタクタイルをもたらす。
3つ目のイノベーション:長い抽出時間。
- より温度の低いコーヒー粉でより長い抽出をすることで、コーヒーの酸を高める、そしてコーヒーの複雑さを増すことができる。
WBC 2017, 13位 – コンスタンティノス・イアトリディス-プレゼンの流れ
- シグニチャービバレッジ用のエスプレッソを抽出。
- エスプレッソコース
- ミルクビバレッジ
- シグネシャービバレッジ
エスプレッソコース
レシピ
- 粉量:22 g(細かめにグラインドする。→複雑なフレーバーを引き出す。)
- 抽出量:38 g
- 抽出温度:93.6度
アロマ
- シトラスの花
- カカオ豆
フレーバー
- 1口目:マンゴー、パパイヤ
- 2口目:完熟したバナナ、チョコレート
- 3口目:タクタイルに焦点を当てる。ベルベット、長く続く、明るく鮮やかなパイナップルの酸、ザクロのようなアフターテイスト
インストラクション
- 2回かき混ぜる。
- 3回は飲むこと。
ミルクビバレッジ
レシピ
- 粉量:22 g(細かめにグラインドする。)
- 抽出量:38 g
- 薄い縁のカップで提供。
- ミルク量:65ml
- カップ容量:120ml
カップについて
- 日本の伝統的な形状のカップを使用。
- 薄いカップでより早くコーヒーが冷却されることで牛乳の甘みがハイライトされる。
- 薄いリムがよりよい経験をもたらす。
フレーバー
- スウィートアーモンド
バニラ
- ミルクチョコレート
ソフトでクリーミー
シグニチャービバレッジ
コンセプト
エチオピア・マゴコロエステートのオリジン、プロセスからもたらされた特徴であるトロピカルな風味からアイデアを得たドリンク。
レシピ
- 粉量:22 g(粗めにグラインドして、デリケートなトロピカルフルーツのフレーバーを引き出す。)
- 抽出量:50 g
- 6度の冷蔵庫に24時間保存されていたもの。
材料1:アイスボール 90g
- グラスの中の入れる。
材料2:エスプレッソ 4ショット
- プレゼン序盤に抽出する。
- 20gの氷と抽出したエスプレッソをガラスボトルに入れ、氷水の中に入れて冷却する。
- 20gの氷を中にいれるのは、クールダウンさせるため、そして希釈させるため。
材料3:発酵させたパイナップルを使用したパイナップルジュース 25ml
- パイナップルを細かく刻み、50gのコーヒーチェリーと50gのブラウンシュガーを加えた後、水を加えて 22時間発酵させたもの。
- トロピカルフルーツを強調。
材料4:発酵に使用した液体 23ml
- l 酸のバランスを取って複雑さを増加。
材料5:パイナップルジュースのアロマ
- 発酵させたパイナップルを使用したパイナップルジュースにドライアイスを入れる。
- アロマのある蒸気を発生させる。
シグネチャービバレッジの工程
- 材料1をグラスに入れる。
- 材料2,3,4をグラスへ注ぐ。
- フローサーで10秒間混ぜる。(→クリーミーなテクスチャーをもたらす。)
- 材料5をグラスへ注ぐ。
フレーバー
- パイナップル
- グリーンマンゴー
- 甘いオレンジ
- グレープフルーツでフィニッシュ
インストラクション
- よくスワリングすること。
- その後、アロマを確かめてから飲むこと。
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