2015年のワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC) にて11位に入賞したノルウェイ代表、アレキサンダー・ハンセン(Alexander Hansen) バリスタのプレゼンテーションを紹介します。
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コラボレイティブ・コーヒー・ソース(CCS, Collaborative Coffee Source)の東ヨーロッパおよびアジアの営業担当です。
ホンジュラス・サンタ・バーバラのモレノファミリーのコーヒーを使用しています。父と息子でそれぞれの農園を持ち、マイクロクライメイトによるフレーバーの影響と、コーヒーの繋がりによるフレーバーの進化についてプレゼンテーションを行っています。
WBC 2015,11位 – アレキサンダー・ハンセンバリスタのプレゼン概要
親子でそれぞれ農園を持ち、マイクロクライメイトの異なる2種類のコーヒーを使用。
使用コーヒー: 2種類
共通事項
- 国:ホンジュラス
- 地域:サンタ・バーバラ
- 品種:パーカス
- 焙煎:カッファ(Kaffa)
- プロセス:フーリーウォッシュト
- 72時間発酵(→甘みをもたらす)
- 最大4回洗浄工程にかけ、綺麗な水で12時間浸漬(→酸味とクラリティ)
マイクロクライメイト
- 100m違いの標高と500mしか離れていない2つの農園
- 農園の距離が近くて、品種、プロセスも同じがだ、フレーバーにはっきりとした違いがある。
- そのフレーバーの違いは、マイクロクライメイトによるもの。
- マイクロクライメイトの違いにより、特別でそれぞれの特徴を持ったコーヒーが生まれる。
1、エスプレッソ:モレノファミリー 息子 ドルマン・モレノ
- 標高:1650m
- 標高が高く、風がない、涼しい夜、適度な日光(8:00am~4:00pm)
- →ゆっくりとした実の熟成により、チェリーの糖度が上がる。
2、ミルクビバレッジ:モレノファミリー 父 ミゲル・モレノ
- 息子ドルマンの農園と500mほど離れている。
- 標高:1550m
- ドルマンのものに比べ、標高が100m低い。
- 風が多い。
- 風が多いと少ないシェードツリー数になり、結果成熟がより早くなる。
- →複雑な酸味をもたらす。
コーヒーの繋がり
- 2005年COEで変わった
- →人々の人生が変化した。その例が、モレノファミリー。
- 市場価格の4倍以上の価格となった。
- 2008年 2位、3位となる。
- モレノファミリーが良いコーヒーを作ると知られる。
- カッファもより品質の良いコーヒーを求めて、モレノファミリーを守るようになる。
- そしてともにコーヒーを育てるようになる。
- カッファとモレノファミリーの関係が強く、そして長く続くようになる。
WBC 2015,11位 – アレキサンダー・ハンセンバリスタのプレゼンの流れ
- エスプレッソコース(同時にシグネチャービバレッジ用のエスプレッソ抽出)
- ミルクビバレッジ
- シグネチャービバレッジ
エスプレッソコース
- 使用コーヒー:モレノファミリー 息子ドルマン・モレノ
- EK43グラインダーを使用
- 粉量:21 g
- 抽出量:42 g
- 収率:21%
- 酸味:ミディアムハイ
- 苦み:ミディアム
- ボディ:ミディアム
- マウスフィール:シルキー、スムース
- アフターテイスト:ロング&スウィートフィニッシュ
- フレーバー:アプリコット、イエローレーズン、ダークチョコ、アーモンド、ホップのような苦み
ミルクビバレッジ
- 使用コーヒー:モレノファミリー 父 ミゲル・モレノ
- K30 Vario Airグラインダーを使用
- 粉量:12g
- 抽出量:36g
- 収率:19%
- エスプレッソを少しクールダウンさせる。
- エスプレッソのフレーバー:アプリコット、レモン、チューリップ
- ミルクと合わさることで、バタースコッチ、ブラジリアンナッツ
- アフターテイスト:ロング&スウィートフィニッシュ
シグネチャービバレッジ
材料1:エスプレッソ
- モレノファミリー 父 ミゲル・モレノの農園のもの。
- グラインダーは、EK43グラインダーを使用し、複雑な酸味と甘みと引き出す。
材料2:グリーンレーズンのソース 25 ml
- グリーンレーズンを冷たい水に12時間浸漬させたもの。
- →複雑な甘みとアロマを引き出す。
材料3:コーヒーチェリーのソース 40 ml
- 父ミゲルの農園のもの。
- 2週間前に摘み取られ、2日前に乾燥、前日に8時間冷たい水に浸漬したもの。
材料4:パームシュガー 3 g
- 父ミゲルの農園のもの。
- ボディを向上引き上げる。
フレーバー
- 1口目:グリーンレーズンの甘み
- 2口目:ホップのようなアロマと苦み、ココアのような苦み、ダークチョコレートフィニッシュ
コラボレイティブ・コーヒー・ソースについて
アレキサンダー・ハンセンバリスタは、コラボレイティブ・コーヒー・ソース(CCS, Collaborative Coffee Source)の東ヨーロッパおよびアジアの営業担当です。
コラボレイティブ・コーヒー・ソースは、ノルウェイ オスロの会社で、ロバート・ソレセン氏によって創業されました。
生豆調達を通して生産者と焙煎業者を繋ぎ合わせる包括的なサービスを提供しています。
スペシャルティコーヒーの先駆者 ロバート・ソレセン氏
2000年にワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)はスタートしました。
2000年の初代WBC優勝者が、ノルウェイ代表のロバート・ソレセン氏(Robert Thoresen)です。
WBC優勝の影響は大きく、その後ノルウェイ・オスロのコーヒー文化レベルを底上げする結果となり、オスロのコーヒー文化が注目されていきました。
ロバート・ソレセン氏は、元々建築関係で働かれていました。コーヒーとは畑違いの分野出身ですが、コーヒーに関して学習を重ね、素晴らしい経歴をお持ちです。
- カップオブエクセレンス(COE)のジャッジ
- 2000年のWBC優勝者
- 1997年 ジャバ・エスプレッソバー(JAVA espresso bar)創業
- 2000年 有名なロースターカッファ(KAFFA 、当時の名前はMocca)創業
- 2012年 コラボレイティブ・コーヒー・ソース(CCS, Collaborative Coffee Source)創業
ロバート・ソレセン氏は北欧をスペシャルティコーヒー先端の地と仕立て上げている「スペシャルティコーヒーの先駆者」のひとりです。
アレキサンダー・ハンセンバリスタの経歴
WBC2015 11位に輝いたアレキサンダー・ハンセンバリスタはカッファ焙煎所にて焙煎を経験しました。
その後、エスプレッソバージャバとMoccaにてバリスタの経験を積いました。
現在、コラボレイティブ・コーヒー・ソースの東ヨーロッパおよびアジアの営業担当です。しかし、40%程度はバーでバリスタを、その他生豆のバイヤー、営業、焙煎も少しやっているようです。
アレキサンダー・ハンセンバリスタはバリスタとしてコーヒーを学ぶ間、ノルウェイ・オスロのノルウェー経営大学(BI Norwegian Business School)で経済学を学び、経営的な視点からもコーヒーを考え続けています。
今後のオスロのコーヒーを牽引する存在となるアレキサンダー・ハンセンバリスタのプレゼンテーションをみてみましょう。
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